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       “経営者であるが、本質的には芸術家” である、ウィリアムモリスと、“芸術を深く理解する経営者” である、アーサー・リバティは同時代を生き、1875年、モリスは「モリス商会」、リバティは「リバティ商会」を発足し、染色工場もサリー州のウォンドル川岸にあり、協力しながら、競い合いながらその時代の英国装飾芸術を支えていました。 
モリスは色んな顏を持った芸術家であり、染色テキスタイルはその一部にすぎません。 
 
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       イチゴ泥棒 [Strawbery Thief]  1883年デザイン登録 
その当時、イギリスでは産業革命も終わり、すでに量産メーカーではローラー捺染、アニリン染料が普通でしたが、モリスは化学的(人工的)な仕上がりを嫌い、昔ながらの木版を使い、インディゴ染めやアカネ染めにこだわっていました。 
 
そんななか、生まれたのが“いちご泥棒”です。 
インディゴ抜染に赤や黄色が使われた初めてのデザインで、出来上がるまでモリスは非常に不安でそのことを娘のジェニーに手紙を書いているくらいです。多くの工程を経てプリントされるので、出来上がるまで何日もかかり、モリス商会でもっとも高価な木綿のひとつでした。それでも人気の高い図柄のひとつでもありました。鳥が植物をくわえている柄は欧米の人たちには、ノアの箱舟の物語でノアが洪水がおさまり、大地がよみがえったのを確認するため、放ったハトがオリーブの新芽をくわえて帰ってくる。その話から再生とゆうかとても縁起のいい図柄のようです。この画像の布はインテリアファブリックです。布巾が150cmあり柄、ピッチも大きいのですが、モリスが最初に作ったいちご泥棒に色合いも柄の大きさも、いちばん近いのではないでしょうか。トランテアン店頭ではこのほかにも直輸入のインテリアファブリックを扱っています。実物はどれも素晴らしい飽きのこない柄ばかりです。ネットではご紹介できていないのが残念です。 
 
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       今年のコーデュロイで作ったバッグです。 
生地巾110cm×40cmで作れます。 
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