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先日、日中の暑い中、室町通りを歩いていて、蔵ギャラリーを見つけ、ついフラフラと入ってしまいました。
インドの布展をしていて、その日が最終日。
半額という値段につられ、暑さも後押しし買ってしまいました。
ミラーワークとリバースアップリケのクイーンサイズのベッドスプレッドとクッションカバー
勉強の為と納得させてのお支払いです。
手芸屋なので、手芸のことなら何でも首を突っ込みたくなる、でも広く浅くになってしまいます。
よく、江戸の職人とか OOの手仕事とかいう特集を見ると自分のしてることがなんだか恥ずかしく、少々落ち込みます。 手芸でも何か一つのこと30年もやり続ければもっと何とかなっていたかもと、このごろ思います。・・・ほんの一瞬ですぐに立ち直りますが。
ミラー刺しゅうは以前、自分でもトライしてみました。
昔のクラシックタナローンの見本帳を全部つなげてタピストリーを作った時、それだけでは何だか物足りなく、ミラー刺しゅうをプラスしました。
ミラーは日本で売られている一般的な直径1.5mmですが、インドでは5mmの小さなミラー刺しゅうがあるそうです。(晴れ着のカフスや胸もとなどに作られる、繊細なミラー刺しゅうがインドの太陽に反射してそれはきれいでしょうね。
鏡は太陽、水の象徴 ミラー刺しゅうはイランからアフガニスタン、パキスタン、インド、ネパール、インドネシアと広がり、
シルクロードならぬ「鏡の道」
その中でも有名なのがインドのパキスタン国境に近いグジャラート州です。昔から盛んに作られている家庭手芸です。
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昔々、王様や豊かな特権階級の人々は高価な宝石を金、銀糸で縫いつけた衣装を身にまとい、富と権力を誇っていて、それを見た庶民が何か似せたものをと、
宝石の変わりに雲母のかけらを縫いつけ、光らせることを考えつきました。やがて小さな鏡を作る技術が発明され雲母の代わりになりました。
ミラーには魔よけや歓迎の意味があり、悪を反射、福を吸収、いわゆる“鬼は外、福は内!”と同じでしょうか。
家の壁にミラーを埋め込み楽しむ人たちもいるとか、
王宮の壁に埋め込まれた宝石をみて庶民が自分たちの王宮を作ったのが始まりだそうです。夜になればろうそくの光があちこちに反射して小さな光源で部屋中が明るいそうです。夢の中みたい。
近代では貴重な現金収入として家内工業的に作られるものがほとんどのようですが昔は家族の為、自分の嫁入りの為にせっせと針をはこんでいたのは洋の東西を問わず、女性の楽しみでもあり家事のひとつでもありました。
画像2は直径1cmのミラーを3,270コ使ってあります。
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モラの手法のような画像3の二点はそんなに古い手法ではなさそうです。ハワイアンキルトにも似ています。丁寧にすればできそう・・・
クッションカバーの手法を紙で再現してみました。
紙なのでくし型に切りましたが、布の場合、スラッシュ(切り込み)を入れるだけで、まつる時にくし型にすると思います。切込みが布に対してバイアスに入っているとまつり易く形が整います。
オーガンジーのリバースアップリケを見た友人がこれで服を作りたいと言いました。
ミラーワークについて画像2の本を参考にしました。
平成2年 5月発行です
NHK手芸紀行は4回にわたり世界の手芸をシリーズで放送していました。また、BSなどで再放送されればいいなと思います。
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